婚姻トラブルと内容証明
<<婚姻前あるいは婚姻外>> ○結納金の返還…結納金を受け取った婚約者が不当に婚約を破棄した場合、その婚約者は当然結納 金を返還しなければならないと考えられます。したがって、もしその婚約者が結納金の返還に 応じないときは、内容証明郵便により、返還を請求することができます。 ○婚姻届不受理申出書…婚姻に合意して婚姻届に署名押印した男女の一方が、婚姻届提出前に婚姻 する意思をなくした場合、区市町村長に対し、あらかじめ婚姻届不受理申出書を内容証明郵 便にして送付しておけば、婚姻の成立を防ぐことができます。 ○婚約者への慰謝料請求…婚約者が自分以外の異性と交際しているなどの事実が判明して精神的な 損害を受けた場合、その婚約者に対して、内容証明郵便により慰謝料を請求することができ ます。 ○内縁関係の解消…入籍していない男女の一方が相手方から精神的苦痛を受けるなどしたことにより、 内縁関係を解消したいと考えた場合は、その相手に対して、内容証明郵便により内縁関係の 解消を要求することができます。 ○婚姻外の子の認知請求…婚姻関係にない男女にできた子の母親から、その子の父親に対して、内容 証明郵便により、子の認知を請求することができます。 <<婚姻中>> ○離婚協議の申入れ…婚姻関係にある男女が別居状態にあるなどの理由で、離婚についての話合い ができない場合は、その当事者の一方が相手方に対して、内容証明郵便により離婚協議の 申入れを意思表示することができます。 ○配偶者の不倫相手への慰謝料請求…婚姻関係にある夫婦の一方が不倫行為をした場合、その配偶 者と不倫行為をした相手に対して、内容証明郵便により、交際の中止や慰謝料の請求をする ことができます。 ○別居中の子の引渡請求…婚姻関係にある男女が別居状態にあるなどの理由で、夫婦間の子が夫婦 の一方と同居している場合、相手方に対して、内容証明郵便により、子の引渡しを請求する ことができます。 <<離婚後>> ○財産分与請求…具体的な協議内容を話し合わないまま離婚届を出して、協議離婚をしてしまった場合 でも、元夫婦間で財産分与について協議をするように、相手に請求することができます。財産 分与請求には、婚姻中の夫婦財産の清算、離婚後の扶養、過去の婚姻費用の分担、経済 的損失に対する損害賠償などがあります(慰謝料を含めることも可能です)。但し財産分与請 求権は、離婚後2年の除斥期間で消滅してしまいます。内容証明においては、相手方が請求 に応じない場合は、家庭裁判所に調停(別頁参照)を申し立てる旨を文面に入れると効果的 でしょう。 ○慰謝料…具体的な協議内容を話し合わないまま離婚届を出して、協議離婚をしてしまった場合でも、元 夫婦間で慰謝料について協議をするように、相手に請求することができます。離婚後に離婚 原因を作った相手に対して慰謝料を請求する場合には、離婚のときから3年以内に請求しな いと、時効により慰謝料請求権が消滅してしまうので、注意が必要です。内容証明において は、相手方が請求に応じない場合は、家庭裁判所に調停(別頁参照)を申し立てる旨を文面 に入れると効果的でしょう。 ○養育費…具体的な協議内容を話し合わないまま離婚届を出して、協議離婚をしてしまった場合でも、元 夫婦間で養育費について協議をするように、相手に請求することができます。離婚しても両親 がその経済力等の事情に応じて子の養育費を分担する義務がありますから、内容証明で具 体的な金額を書いて請求する意義があります。また既に合意していた養育費を配偶者の一 方が滞納している場合や、増額を要求したい場合にも、内容証明が有効です。内容証明にお いては、相手方が請求に応じない場合は、家庭裁判所に調停(別頁参照)を申し立てる旨を 文面に入れるとより効果的でしょう。 |